おもちにまつわるいろいろ

 

おもちにまつわるいろいろ
 

《おもちにまつわる歌・川柳など》

  
  • 織田が搗き 羽柴が捏ねし天下餅 骨を折らずに食ふは徳川  (江戸時代末期)
  • 初はるの もちひのかがみけふみれば 神と君との影ぞならべる  (日光久能両宮御鏡)
  • 御堂まで ゆかで立よる門前に 大仏よりも餅をみまほし  (京都三条・誓願寺)
  • これほどに 酒の飲まるる十五夜を 誰がもちづきと名づけそめけん  (蜀山人)
  • 酒になり 餅になる稲の 穂並かな  (呉逸)
  • 沢山に 孫子を餅て末永ふ 栄る枝で花も酒酒  (山県伊三郎)
  • あまくとも からの月見のもちひ菓子 もちゐやうにて酒ものめます  (白念坊如電)
  • 鏡餅 九尺間口の 棚の上  (吐雲)
  • 年の内に 餅はつきけり一年を 去年とや食わん今年とや食わん  (狂言・餅酒)
  • 右や餅 ひだりさかづき あけの春  (窓梅舎可耕)
  • 此頃は 法もとだえのさかひなる をしえたうとき大仏の餅 返歌 もとよりも あかりしゃうじのさかいにて おりおり餅を空即是空  (誓願時・策伝)
  • 銅銭一つあるならば 餅屋にかけて行くものを 隣家の杵の音きいて 昨夜も見たり餅の夢 誰か一銭くれるなら やぶれ衣の袖の底 拾ひ入れたる渋柿の 蒂にもグードバイいはん 大人となりて銭ためて 思ひのままに世がならば 味噌汁やめて飯よして 唯餅ばかり食て居ん  (少年世界)
  
  

《おもちにまつわる故事・その他》

  
  • 絵にかいた 餅は喰はれず世の中は 誠でなければ間に合はぬぞ  (脇坂弘道)
  • 人を酔わすから酒は仏教、人を醒ますから茶は儒教、福を授けるから餅は神道  (辛渋甘三興食)
  • 餅は心地よき物 酒はうれしき物 茶は淋しき物  (風俗文選)
  • もちにあらずして きなこどり(うぐいすの別名)といふがごとし  (福井三国のうぐいす餅)
  
  

《おもちにまつわることわざ》

  
焼き餅焼くとて手をやくな
やきもちを焼くのはいいが、感情的になりすぎてあとの処置が自分でも困るような焼き方はしてはいけないということ。
  
焼き餅は狐色
やきもちは焼きすぎても、焼かなくても嫌われる。餅をきつね色に焼くように、適度に焼くのが良いということ。
  
夢に餅食う
夢ではないかと思いたくなるような幸運が舞い込むことのたとえ。「夢に牡丹餅」「夢に餅」ともいう。
  
餅は餅屋
餅は誰にでもつけるが、やっばり餅屋のついた餅が一番うまい。何事も専門家に任せるのが一番であるということ。
  
搗いた餅より心持ち
物をもらったことよりも、それをくれた相手の心がうれしいということ。
  
意見と餅はつくが良い
餅はつけばつくほど粘りのある良い餅になる。他人の意見もつき従えば従うほど、利があるということ。
  
一合雑炊 二合粥 三合飯に四合団子 五合牡丹餅 六合粟餅
一食に人が食べられる量のこと。美味しいものほど大量に食べられる。
  
上戸に餅 下戸に酒
見当違いで、ありがた迷惑なことのたとえ。
  
魚は殿様に焼かせろ、餅は乞食に焼かせろ
魚を焼くときはあまり触らないように、おっとりした人間に焼かせるのが良い。餅は焦がさないように何度もひっくり返した方がいいので、がつがつした人に焼かせた方が良いというたとえ。
  
絵に描いた餅
絵に描かれた餅はどんなにおいしそうでも、食べられない。実際には役に立たないことのたとえ。
  
朔日ごとに餅は食えぬ
元日には餅が食べられるが、月の初めにいつも餅が食べられるわけはない。いいことがいつまでも続くわけがないというたとえ。
  
茶屋の餅も強いねば食えぬ
お金をはらって食べるものでも、「どうぞ」と勧められないと食べづらいということ。ものごとは勧め方が大事で、商売のコツもそこにあるということ。