家でついた餅は固くなったら綺麗に柔らかくならないのに、市販の固まった餅がしっかりと柔らかくなるのはなぜ?
家でついたお餅は通常、ラップなどしないでそのまま外気に触れる状態でお供えされたり保管されると思います。この場合はお餅の表面から餅自体のつきたての水分(約45%)がどんどん抜けていき、そのまま時間が経ちますと餅表面に関しては乾燥状態に段々と近づいていきます。(乾燥が遅い時に緑色や白色などカビが発生する場合もあります。)そのため加熱しましてもその水分の抜けた硬い部分が中々、柔らかくならず綺麗に柔らかくならないということになりがちです。
水分を袋外に逃さないバリア性の高い包材に包まれている市販の餅の場合、この袋内での水分蒸発は多少発生しますが、袋の外に水蒸気はほぼ出られないため水分が飽和状態になりますと蒸発は止まります。つまり、市販の餅は家庭の餅ほどは水分が蒸発していませんので加熱により、つきたてに近い状態に戻りますし、餅内部は水分がほぼつきたての時のまま残っていますので表面よりさらに柔らかくなります。ですのでご家庭の餅に比べまして市販の餅のほうがキチンと柔らかくなりやすいということです。
なお、ご家庭の固いお餅でも内部の芯に近いほど、ついた時に近い水分が残っている場合が多いので、加熱の時間は余分にかかっても内側を中心に伸びる生地に戻ることになります。表面のほうはいくら加熱しても固いままですが、おかきのようになりますので食べることは可能です。